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    施政方針(令和7年3月議会)

    • 初版公開日:[2024年02月26日]
    • 更新日:[2025年3月4日]
    • ID:8815

     このページでは、令和7年2月19日に開会された令和7年茂原市議会3月定例会において市長が述べた、令和7年度の施政方針についてご覧いただけます。(ウェブサイトへの掲載にあたって、一部編集しております。)

    令和7年度の施政方針を述べる市原市長

    議場で令和7年度の施政方針を述べる市原市長

    施政方針 令和7年3月定例会 令和7年2月19日

    はじめに

     本日から、令和7年茂原市議会3月定例会を開催することとなりました。

     議員各位におかれましては、大変お忙しいところ、誠にご苦労様でございます。

     今定例会におきましては、令和7年度の当初予算案をはじめ、諸議案のご審議をお願い申し上げるところでございます。まずは、私から市政運営に臨む所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。


     はじめに、組織機構の確立につきましては、昨年12月に都市建設部長をチームリーダーとする「水害のない街づくりプロジェクト・チーム」を設置いたしました。従来の部や課の枠組みを超えた本組織により、これまで以上に効果的な内水対策の検討や市民の皆さまに分かりやすい情報発信に取り組むことで、「水害のない街づくり」を進めてまいります。また4月より、複雑多様化する時代に即した施策の検討・調整を、より迅速かつ柔軟に行うことができる体制を整えるとともに、財政基盤の一層の強化に取り組むため、総務部と企画財政部を「総合企画部」と「財務部」に改編し、企画政策課に「政策戦略担当」を設置するとともに、管財課の公有財産管理室を「ファシリティマネジメント推進室」に改めます。更に、流域治水の取り組みを推進するため、土木建設課の河川整備係を「流域治水対策室」に改めるとともに、農政課の基盤整備係から公営企業会計部門を分離することで「田んぼダム」の推進等に一層注力してまいります。その他、令和9年度の全国高校総体(インターハイ)千葉県開催において、本市で男女のバレーボール競技が予定されていることから、体育課の執務室を市庁舎9階から市民体育館内に移転して開催に向けた体制の強化を図るとともに、名称を「スポーツ振興課」「スポーツ振興係」に改めます。今後とも限られた人員のなか、社会経済情勢や市民ニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応できるよう、効率的な組織のあり方について引き続き検討してまいります。

     次に、空き公共施設等の利活用につきましては、茂原市民間提案制度による民間事業者からの提案を受け付け、5件、6事業者の提案を採用いたしました。今後は、採用した提案について、事業者との詳細な協議を進め、事業実施に向けてさらなる検討を行ってまいります。

     次に、本年1月28日に埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没が発生したことを踏まえ、本市では市民の安全・安心を確保するため、現在、管路の緊急点検を実施しているところでございます。

     次に、令和7年度当初予算案について申し上げます。

     歳入につきましては、賃金上昇や前年度実施された定額減税が概ね終了したことにより、市税に一定の増加が見込まれますが、歳出につきましても、義務的経費である扶助費をはじめとして物価高騰などにより各事業費が増加しており、依然として厳しい状況が続くなかでの予算編成となりました。このような状況ではございますが、内水対策や子育て支援に重点を置きながら、義務的経費などの経常経費を中心に、市民の皆さまの「安全・安心」につながる、緊急かつ必要な事業を組み入れた予算としたところでございます。

     その結果、令和7年度一般会計予算の総額は、339億7,000万円となり、前年度の骨格予算と6月補正による予算総額と比べ、1.2%の増となりました。

     特別会計につきましては、国民健康保険事業費等4会計の合計が、201億5,663万5千円となり、前年度比1.3%の増となりました。

     公営企業会計の下水道事業会計につきましては、

    収益的収支の収入は、13億9,155万8千円、前年度比1.7%減、

    収益的収支の支出は、13億7,021万1千円、前年度比1.8%減、

    資本的収支の収入は、16億5,642万1千円、前年度比16.2%増、

    資本的収支の支出は、22億6,437万8千円、前年度比16.7%増

    となりました。

     農業集落排水事業会計につきましては、

    収益的収支の収入は、4億3,628万8千円、前年度比0.03%減、

    収益的収支の支出は、4億2,819万3千円、前年度比0.2%減、

    資本的収支の収入は、4億3,320万9千円、前年度比40.9%増、

    資本的収支の支出は、5億1,360万4千円、前年度比23.9%増

    となりました。


    次に、令和7年度の主要施策について申し上げます。

    教育文化

     まず、教育文化について申し上げます。

     社会で生きる力の育成につきましては、変化する社会で活躍できる能力を子どもたちに身に付けさせるため、令和7年度から市内の中学校に通う中学3年生を対象に実用英語技能検定、いわゆる「英検」の検定料を公費負担とする制度を設けます。これと合わせて学校における英語教育の充実を図り、茂原市の将来を担うグローバルな人材の育成に努めてまいります。

     市立図書館につきましては、3月21日に茂原ショッピングプラザアスモ内へ移転いたします。新しい図書館は、ゆったりと読書を楽しむことや集中して勉強ができるスペースを備え、また、十分な無料駐車場も用意し、利便性の向上が図られております。今後は、さらに市民の皆さまのニーズにお応えできるよう、図書館サービスの充実に努めてまいります。

    健康福祉

     次に、健康福祉について申し上げます。

     地域福祉活動の基盤づくりにつきましては、五郷福祉センター利用者の駐車場不足解消のため、施設南側の農地を駐車場として整備する事業を進めております。昨年末には、農業振興地域除外や農地転用などの手続きを経て、地主との用地売買契約が完了しましたので、引き続き12月の供用開始を目指して事業を進め、利用者の利便性の向上を図ってまいります。

     質の高い保育・幼児教育の提供につきましては、萩原小学校敷地内に増設した学童クラブの運営を4月から開始する予定となっております。施設老朽化の進む東郷第2学童クラブにつきましては、東郷小学校施設内に移設し、9月頃から運用を開始する予定となっております。今後も待機児童の解消や子ども達が安心して過ごすことのできる環境整備など、学童クラブの充実を図ってまいります。

     配慮を必要とする子どもや家庭への支援につきましては、保護者の疾病等の理由により、家庭において子どもを養育することが一時的に困難となった場合に、児童養護施設等で子どもを一定期間預かり、必要な支援を行う「子育て短期支援事業」を4月から実施できるよう取り組んでまいります。

     高齢者福祉の充実につきましては、在宅生活が困難な認知症高齢者を対象としたグループホームの整備を予定しております。現在、施設整備及びサービス提供を行う事業者を募集しており、3月末までに事業者を決定してまいります。

     障害者福祉の充実につきましては、地域における相談支援の中核的な役割を担う「基幹相談支援センター」の令和7年度中の設置を目指し、地域の相談支援体制の強化に努めてまいります。

     疾病予防対策の充実につきましては、4月から帯状疱疹ワクチンが新たに定期の予防接種に位置付けられるため、65歳以上の高齢者等に対し、接種費用の一部を助成し、市民の健康保持に取り組んでまいります。

    産業振興

     次に、産業振興について申し上げます。

     農業経営の改善につきましては、近年下落傾向が続いていた米価が令和6年産米において大幅に回復いたしましたが、物価高騰に伴う肥料代や燃料費などの経費の増大、異常気象による収穫量の減少等が懸念されることから、引き続き稲作農家の経営の安定及び食料自給力向上に資する施策に取り組んでまいります。

     強い農業を推進する経営基盤強化対策につきましては、市内各地域において策定した「地域農業経営基盤強化促進計画」、通称「地域計画」により明確となった地域農業のあらゆる課題の解決に向けて取り組むとともに、担い手の確保につきましては、専門的知識を有する長生農業独立支援センターに加入し、新規就農者の支援を行うなど、引き続き地域農業の振興に努めてまいります。

     有害鳥獣駆除につきましては、イノシシの生息域が拡大しているため、引き続き猟友会等の捕獲従事者と連携を図り、捕獲体制の強化に取り組んでまいります。

     生産基盤の強化につきましては、農業・農村の有する多面的機能の維持、発展を図るために地域の共同活動に対して支援を行い、農村地域の集落機能を低下させぬよう地域資源の適切な保全管理をより一層推進してまいります。清水地区の排水機場整備につきましては、農地等の湛水被害を防止するため、関係機関と連携を図りながら、早期完成に向け事業を推進してまいります。

     中小事業者の支援につきましては、人手不足、物価高騰によるコストの増加など、依然として先行きが不透明な状況であることから、引き続き中小企業資金融資や利子補給など、各種補助事業を進めてまいります。

     企業誘致の推進につきましては、令和8年度の圏央道全面開通、令和10年度の成田空港の機能強化が見込まれるなか、雇用機会の創出、定住人口の増加などによる地域経済の活性化や本市の財政基盤の強化を図るため、スピード感をもって産業用地の整備に向けた取り組みを実施してまいります。

     「茂原七夕まつり」につきましては、今年71回目を迎える伝統ある本市最大のイベントでございます。近年の厳しい猛暑への対策を万全に講じ、市民や本市を訪れる皆さまに安心して、華やかで魅力あふれる関東屈指の夏まつりを満喫していただけるよう、茂原商工会議所と連携してまいります。

     ロケツーリズムの推進につきましては、映画やドラマなどのロケ地見学会の実施、観光協会関連のSNSやアプリ、Webサイトを通じた情報発信など、既存の観光資源やイベントと連携したPRを実施してまいりました。今後も積極的に撮影の誘致を行い、多くの方が本市を訪れるきっかけとなるよう取り組んでまいります。

    安全安心

     次に、安全安心について申し上げます。

     防災体制の充実につきましては、災害時の迅速な被災者支援を実施するため「千葉県被災者支援システム運用協議会」に参加し、被害調査、罹災証明書の交付、被災者台帳の管理等のデジタルシステムの導入を予定しております。また、防災意識の高揚と発災時における地域住民の対応力の向上を目的とした「住民参加型の地域防災訓練」を「豊田地区」で実施する予定です。引き続き地域防災力の向上のため、防災体制の強化・拡充や自主防災活動への支援に努めてまいります。

     交通安全施設の整備につきましては、本納中学校北側の橘樹神社から本宿下踏切間の市道1級17号線、南中学校と早野中学校の統合を見据え、早野地先において市道1級8号線及び市道3級8158号線の歩道整備等を進めてまいります。

     令和元年10月25日の大雨による浸水対策につきましては、千葉県により一宮川中流域で事業中の河川激甚災害対策特別緊急事業による河道断面の拡大等が進められ、赤目川につきましては、引き続きA調節池の排水施設整備等が進められております。

     準用河川の整備につきましては、梅田川の第2石川橋架け替えに伴う上部工事及び取付道路工事を予定しております。

     内水対策の推進につきましては、現在進めている大芝調整池及び東茂原地区の内水対策工事の早期完成に向け取り組むとともに、令和5年9月8日の大雨による浸水被害の軽減を図るため、内水対策の再検討を引き続き進めてまいります。また、八千代地区における下水道管の増補管整備を予定しております。

     農業用施設である ため池 や 田んぼ を利用した下流域への雨水流出抑制につきましては、老朽化した「ため池」の更新工事や多面的機能支払交付金の活動組織や地元水利組合等に「田んぼダム」へのご協力をいただき、さらなる防災・減災対策の推進に取り組んでまいります。

     消費生活センターの充実につきましては、引き続き相談体制の維持・強化に努め、消費生活の安定と向上を図るとともに、消費者行政のさらなる推進に取り組んでまいります。

    都市環境

     次に、都市環境について申し上げます。

     秩序ある市街地整備の推進につきましては、茂原駅前通り地区土地区画整理事業において、都市計画道路 高師町下井戸線を優先的に整備し、事業の効率化を図るとともに、引き続き事業の推進に努めてまいります。

     道路網の整備につきましては、都市計画道路 桑原八千代線について、令和6年12月25日に旧イオン立体駐車場東側から宍倉病院までの約80メートルを供用開始いたしました。引き続き茂原駅周辺の交通利便性を高めるため、町保地区から主要地方道茂原長生線までの用地取得を進めてまいります。

     地域公共交通につきましては、令和6年3月に策定した地域公共交通計画に基づき、利便性向上を目指した市民バス「モバス」やデマンド交通「ふれあい」の運行エリアやダイヤの見直し、サービスの改善等に向けて取り組んでまいります。

     道の駅につきましては、基本構想の策定を予定しており、新たな観光交流拠点の創出や災害支援活動の拠点としての機能を備えるなど、コンセプトや候補地の選定等の検討を行ってまいります。

     公共下水道の整備につきましては、令和5年9月8日の大雨により被害を受けました川中島終末処理場、町保ポンプ場及び道目木ポンプ場の復旧を進めており、引き続き下水道施設の長寿命化を目的としたストックマネジメント計画に基づいた処理場及び管渠施設の改築更新等を実施し、適切な維持管理に努めてまいります。

     農業集落排水事業につきましては、安定したサービスを継続するため、中長期的な視点に基づく計画を立て、処理施設等の機能強化対策に取り組み、持続性のある事業経営に取り組んでまいります。

     公園の整備につきましては、富士見公園庭球場の砂入り人工芝への改修を含めた改修実施設計、茂原公園及び高久蓮池公園の施設改修工事を実施し、多くの皆さんに安全・快適に利用していただけるよう施設整備に取り組んでまいります。

     地球温暖化対策の推進につきましては、公共施設への太陽光発電設備の設置を進めるとともに、市全体における温室効果ガスの排出抑制や気候変動への適応等の方向性を示す「茂原市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定し、ゼロカーボンシティの実現に向けた取り組みをより一層推進してまいります。

    協働推進

     次に、協働推進について申し上げます。

     広報活動の充実につきましては、情報発信力を強化するため、2月より新たにインスタグラムを開設いたしました。今後はインスタグラムを活用し、より効果的に情報発信することで、茂原市のイメージアップを図るとともに市民等の利便性及び満足度の向上を図ってまいります。


     以上、市政運営にあたっての所信の一端と、主要施策について申し上げました。