木造十一面観音立像
- [2015年2月25日]
- ID:1132
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木造十一面観音立像(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう)
茂原市指定文化財(昭和55年11月19日指定)
- 所在 茂原市中善寺644番地
- 所有 行徳寺

檜の寄木造りで像高72.8センチメートルで、頭部は差し首となっており、白毫(びゃくごう)は木製、口唇部に朱がさされている。頭部の化佛(けぶつ)はいずれも傷みが著しく、特に中央の如来立像は顔が欠けてさだかでない。
両腕は肩の部分で矧(は)いである。全体は蓮肉に足枘(あしほぞ)で固定され、両足先は裾から先が矧ぎつけになっている。衣文(えもん)線の彫りは浅く、曲線は美しい。観音の顔面には虫食いの痕があり、左手先は現存せず光背も失われている。
像の胎内に墨書銘があり、また銘札が納められていた。銘札には天文3年(1534年)とあり、室町時代の作であることがわかる。像容は優美で気品がある。この像は本堂右脇の厨子に安置され、一説にはもと他寺にあったものが当寺に移されたいわゆる客佛(きゃくぶつ)といわれる。