
御涅槃画像(おねはんがぞう)
本紙の寸法は、縦195センチメートル、横139センチメートルの大幅である。釈迦が沙羅双樹の下で、頭を北に顔を西に向け身体を横にして入滅するようすを描いたもので、母の摩耶夫人が天界から降下し、周囲には弟子を始め諸衆や禽獣(きんじゅう)までが嘆き悲しんでいるさまが、精緻な筆で克明に描かれ、美しい彩色がこの画像の効果を高めている。資料を欠き正確な制作年代は不明である。
釈迦入滅の2月15日に行われる涅槃絵に用いられるもので、この種の顕教絵画は市内に残存が少なく、現存作品の優品である。